それだけではなくて、歩行者向けには「自転車の歩道通行は全面禁止ではありません。明らかに歩行者に脅威を与えていない場合は、例外もあると考えています。歩行者の皆さまにもご理解を」という種類のメッセージを出す必要もある。
警察だけに責任を負わせてはいけない
改めて申し上げるが、だからこそ国会審議の場で、あらゆる意見を戦わせて、国民的な合意に近づけておく必要があったのだ。細かいことは全て警察庁の実務能力に丸投げし、政治が何もせず、結果的にネット世論が暴走して、自転車が危険な車道に押し出され、取り返しのつかないことになっては遅い。
歩行者が自転車による事故の被害に遭う問題については、今回の道交法改正と、反則金の制定で一定の前進を見た。そのことは評価してもいいだろう。だが、それだけでは、全く足りない部分、つまり柔軟な運用に関する社会的合意については、警察だけに責任を負わせるのは全く不十分であると思う。
