台湾独立、チベット独立、ウイグル独立等、分裂勢力の盛り上がりも胡耀邦時期に始まった。彼は封建集権と国家統一、分裂勢力と民族平等、漢奸と自由民主を混同した。その結果、封建集権反対の旗を掲げ、国家の統一を破壊し、民族平等の旗を掲げ分裂勢力を創り出し、自由民主の旗を掲げ漢奸を育てる羽目になった。中国を分裂内乱という災難への縁に追い込んだ。生態系を破壊し、資源を掘り尽くして子孫を断絶させるような発展方式も胡耀邦時代に始まったことである。
4月15日の新華社電によると、中央国家安全委員会が初めて会議を開催した。シンガポール『聯合早報』は、昨日は前書記の胡耀邦逝去25周年であり、XX事件25周年(原文のまま。XXは「天安門」あるいは「六四」が入るのだろう。中国では「天安門事件」と呼ばず、通常、「六四政治風波」と呼ぶ:筆者)が近づいており、共産党政権はこの時期を選んで国家安全委員会の初会議を開催したと指摘している。内外勢力がXX記念を借りて事が起きるのを防止することを念頭においているというわけだ。
胡耀邦の次には、趙紫陽記念が来るだろう。順調にいけば最後には彼らは「資本階級指導下の全面専制」を祀り上げて憲法を全面否定しかねない。その後、完全にアメリカに投降して中米両国の反動勢力で共同の下で人民による清算を心配することなく、人々を統治する野心をも実現するだろう。彼らの計画の綿密さには感服せざるをえない。
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既得権益を背景に跋扈する保守派
【解説】
本文を読むと現在、中国が直面するあらゆる諸悪の根源は、胡耀邦を代表とする「市場経済化政策」を導入した「資本主義の道を行く派閥」(走資派)のせいだ、と言っているかのようだ。
中国が依然共産主義を標榜し、体制が旧態依然としており、既得権益層が各界を牛耳って政治改革を阻害していると中国国内においてさえも認識されるようになりつつあるなかでのこのような主張は一種異様で、非常に興味深い。こうした考えは、逮捕された薄熙来が高らかにうたった「毛沢東礼賛」を支持する「毛左派」の典型的な考え方であろう。
中国でにわかに盛り上がりつつある胡耀邦逝去の記念は、同時に1989年に起きた「天安門事件」の評価如何に関わってくるため共産党当局にとっては極めて慎重にならざるを得ない事情があろう。そのためシンプルに単純化すれば保守派と改革派がせめぎ合っていると捉えることはできるだろう。