2025年12月26日(金)

BBC News

2025年12月26日

クリスマスのメッセージを述べるイギリスのチャールズ国王

イギリスで25日、チャールズ国王の恒例のクリスマスメッセージがテレビ放送された。国王は、戦時中の精神を呼び起こし、分断が進む世界での地域社会の結束を呼びかけ、人々に「隣人を知る」よう訴えた。

2年目となるクリスマスの演説は、王宮から離れたウェストミンスター寺院で収録された。

その中で国王は、分断をなくすことの重要性を強調。「大きな困難に直面して地域社会が団結してきた」価値観を私たちは「決して見失ってはならない」と呼びかけた。

「異なる信仰を持つ人々に会うと、私たちがどれほど多くの共通点を持っているかがわかり、非常に勇気づけられる」

「コミュニティーの多様性によって、私たちは正義が悪に打ち勝つための強さを見いだすことができる」

放送では、ヨーロッパと極東における第2次世界大戦の終結から80年を記念する今年の記念式典の写真が映し出された。国王は、戦争世代の「勇気と犠牲」や逆境での結束力を称賛し、その精神が現在も大事だと訴えた。

「これらの価値観が私たちの国を形成してきた」

「国内外で分断が叫ばれるなか、そうした価値観こそ、私たちは決して見失ってはならない」

国王はまた、オーストラリア・ボンダイビーチで起きた銃撃事件などの緊急事態で人々が見せた「自発的な勇気」をたたえた。

「個人やコミュニティーが、他者を守るために本能的に危険な状況に自らの身を置くという、自発的な勇気を示した」

放送では、国王が襲撃事件があったマンチェスターのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)を訪れ、襲撃者を止めようとした信者らと会っている写真も映された。

自身の健康状態については言及しなかった。国王は最近、自らのがん治療が来年には縮小されるとの「良い知らせ」があるとするビデオメッセージを収録した

今年「王子」の称号を剥奪された、弟のアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏についても、演説では触れなかった。

国王はこの日、演説の放送の前に、ノーフォークのサンドリンガム邸の敷地にある聖メアリー・マグダレン教会で開かれた、クリスマスの賛美歌の演奏と祈りによる礼拝に王室メンバーらと参加した。終了後、メンバーらは集まった人々と交流した。

(英語記事 King's Christmas message urges unity in divided world

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cd0k9lk85z0o


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