中国メディアは何を報じているか

2014年7月4日

»著者プロフィール
著者
閉じる

弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

コスタリカのサッカー協会会長・エドワード・リー氏。コスタリカチームを率いているのが「中国人」と知って 中国メディアは大喜び(『観察者網』6月22日)
拡大画像表示

 エドワード・リー氏の父親は早くに中国からコスタリカに移民し、1950年代に中国に戻って彼の母親と結婚した。彼本人はコスタリカ生まれで中国語を話せず、漢字も書けないが、「しかし、私は100%中国人であり、私の故郷は広東です」。大学でエンジニアリングを学んだリー氏は、ビジネスの道を歩んだ。サッカー協会会長というのは彼の一つの身分にしか過ぎない。コスタリカチームは「死のグループ」に属していたが、リー氏が率いてイタリアやイングランドという世界チャンピオンを下したことは、中国人の能力が欠けているというわけではないことを示す。ネットにも中国人は実はサッカーもできるという声が出ている。カギは同じ中国人でもなぜ本国のサッカーはダメなのか、ということだ。

 今回のW杯出場国32のチームのうち、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、ロシア、イタリアといった昔からの大国強国だけでなく、コスタリカ、カメルーン、コートジボアール、ウルグアイといった小国・弱国もあった。一般的には実力が備わった常連の大国がW杯に出場できるのは当然だが、弱小国でもW杯に進めるのである。これは国の大小には直接関係ないことを説明している。

 しかし、逆に言えばコスタリカ、カメルーンというような弱小国もW杯に進めるのに、米国に次ぐ世界第二の経済体となり、人口も14億人に近い中国が精鋭チームを選りすぐってW杯に出ることができないのはなぜか。中国サッカーとコスタリカ、カメルーンサッカーの違いはどこにあるのか。

日本、韓国との違いは?
北朝鮮さえも出場するのに…

 32チームのうち東アジアから2カ国が出場した。日本と韓国だ。身長でも体力でも、そして知能でも5000年の文明の歴史を持つ中国人が日本人や韓国人と差があるとは思えない。同じ黄色い皮膚、黒い髪、黒い眼のアジア人の日本人、韓国人はW杯でトップ32に入ったのだ。14億人の人口を持つ中国はなぜダメなのか。

 貧しく、遅れている北朝鮮さえもトップ8に入ったことがあるのになぜ経済成長著しい中国ができないのか。14億の人口を持つ中国が球を蹴れる選手を選ぶことができないというのか。中国サッカーと日本、韓国サッカーと一体どこが違うというのだろう。

 国連が誕生してからというもの、米、英、仏、露という国連の四つの常任理事国はサッカーW杯もほぼ逃したことがない。そのほか、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、オランダ等の伝統的な大国、強国もW杯のメダル獲得の常連である。しかし、同じく国連安保理常任理事国の中国はなぜ門外漢で置いてきぼりになっているのだろうか。

関連記事

新着記事

»もっと見る