2026年1月3日(土)

BBC News

2026年1月3日

スイス南部ヴァレー州の高級スキーリゾート地、クランモンタナにあるナイトクラブで1日未明に発生した火災について、シャンパンボトルに取り付けられたスパークラー(手持ち花火)が「天井に近づきすぎた」ことが原因とみられると当局が発表した。

観光客など人気のナイトクラブ「ル・コンステラシオン」での火災は1日午前1時半ごろに発生し、40人が死亡、119人が負傷した。

ヴァレー州のベアトリス・ピルー検察長官は2日の記者会見で、現場で使われた素材、バーの防火対策、収容人数、火災発生時の店内の人数に焦点を当てて捜査していると述べた。起訴が必要かどうかも調べているという。

「もし起訴が相当で、関係者がまだ生存している場合、訴訟が開始される」とピルー氏は述べた。

「すべての状況から、火災はスパークリング・キャンドル、つまりスパークラーから始まったと考えられる。シャンパンボトルに取り付けられていたものが、天井に近づきすぎた。そこから炎が非常に速く広がった」とピルー氏は会見で説明した。

ピルー氏は記者会見で、ナイトクラブの天井が建築基準に適合していたかどうかも調べると述べた。

捜査員たちは天井に設置された発泡材の調査を進めており、それが基準に適合していたか、許可を得て設置されたかどうかが、現時点では確定していないともピルー氏は話した。

「憶測を避けることが重要」だと検察長官は述べ、「私たちに仕事をさせてほしい」と強調した。

ナイトクラブのフランス人経営者2人と、火災から逃れた人々も事情聴取を受けたという。ピルー氏は、一連の事情聴取から、出火当時の店内にいた人々のリストを作成できたと述べた。

当局は、同施設には複数の出口があったことを確認したが、非常口が当時開いていたか閉じていたかは「現時点では言えない」と付け加えた。

地元メディアによると、ナイトクラブのオーナーの一人は、過去10年間に3回検査を受け、すべて規則に従っていたと話したとされる。

当局は、火災で死亡した40人の正式な身元確認を今も続けている。現地警察のフレデリック・ジスラー氏は、「それが私たちにとって最優先事項だ」と述べた。

ヴァレー州のマティアス・レイナール州知事は、負傷者の多くが重体で「まだ生きるために闘っている」と話した。負傷者のうち113人の身元が正式に確認されており、その内訳はスイス国籍71人、フランス国籍14人、イタリア国籍11人、セルビア国籍4人などだという。

残り6人の確認作業が進行中で、人数は変わる可能性があるとジスラー氏は述べた。

記者会見で当局は、法医学専門家、医師、歯科医、捜査官のチームがデータを収集し、死者の身元を特定する「災害犠牲者識別」プロセスを用いていると説明した。

レイナール氏は、約50人の重傷者が「欧州各国の重度熱傷専門センターに移送されたか、間もなく移送される予定だ」と話した。

フランスのサッカークラブFCメスは声明で、19歳のタヒリス・ドス・サントス選手がクランスモンタナの火事で負傷したと発表。「クラブの全員が、いま苦しみ闘っているタヒリスに、気持ちを送っている」と述べた。

クラブによれば、ドス・サントス選手は火災で「重度の火傷」を負い、治療のためドイツに空路で搬送された。

火災後に行方不明となった人々の家族は、2日夜の時点でも当局からの最新情報を待ちわびていた。

行方不明者の一人でイタリア国籍のアキーレ・バロージさん(16)は、ジャケットと携帯電話を取りに1日午前1時30分にバーに入った。家族はそれ以来、連絡を取れていない。

「彼がまだ生きているか分からない」と、おばのフランチェスカさんはBBCに話した。おいは優秀な画家で、ミラノの美術学校に入学していたとフランチェスカさんは話した。

レア・ツェーンダーさん(22)は、「ル・コンステラシオン」が見える別のバーで新年を祝っていた。「ル・コンステラシオン」から悲鳴が聞こえたとツェーンダーさんは言い、重度のやけどを負った人々を自分のボーイフレンドが助けたのだと話した。「その人たちは、歩くことも話すこともできなかった」。

トリスタン・フィッシャーさん(20)はBBCに、自分の17歳の弟が火災が広がる中で窓を割り、バーの中から人を次々と引っ張り出したのだと話した。

フィッシャーさんは、この事件で弟の心が深く傷ついてしまい、その影響が長く残るのでないかと心配している。「彼はあれ以来、まともに話していないし、まともに眠ってもいない」とフィッシャーさんは話した。

「ル・コンステラシオン」は最大300人を収容できるバーで、小さなテラスがあった。上の階にはサッカーの試合などを見るためのテレビ画面のある部屋があり、下の階の大きなバーは大勢が飲んだり踊ったりする空間だった。

火災現場の出入り口は白いテントで覆われている。2日には、現場の規制線の周りに、家族や若者のグループが涙ながらに集まっていた。花束やキャンドルを置く人もいれば、仮設の祭壇にメッセージを残す人もいた。

クランモンタナの近郊にあるカンファレンス・センターが、行方不明者の家族への支援のために使用されている。

クランモンタナでは、1月9日に「国民的追悼」のための式典が開催される予定となっている。

(英語記事 Sparklers on champagne bottles likely cause of deadly Swiss bar fire

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cr57450gllro


新着記事

»もっと見る