安倍氏は、日本が行うことは、全て国際法を支持するためである、という理屈をとっている。その意味するところは、もちろん、中国は国際法と行動規範を損ねている、ということである。安倍氏は、インドネシアとフィリピンが海洋における境界の紛争を平和的に解決したことをシャングリラで指摘し、中国との違いを際立たせた。中国は、尖閣周辺での中国軍戦闘機の空自偵察機への危険な接近のように、安倍氏の主張をしばしば助けるようなことをしている。
アジアを再形成しようとする安倍氏の大きな試みは始まったばかりであり、国内の経済計画の成功如何にも大きく依ることになろう。日本の経済が、地政学的野心に対応して成長することが出来れば、日本は、アジアにとって、中国の覇権に代わるものとなり得る。中国を怒らせるリスクは、より急速に明白になっているが、日本の、ここ10年で最もダイナミックなリーダーである安倍氏は、日本を、もはや歴史の傍観者ではなくさせようと決心している、と論じています。
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日本を誰よりもよく知るオースリンが、安倍総理のシャングリラでの演説を、巨視的かつ正確に分析し、日本がアジアにおいて中国へのカウンターウェイトとしての役割を果たすことに期待を表明している論説です。そして、いよいよ、集団的自衛権行使容認が閣議決定され、オースリンがここで分析しているような、日本の安全保障構想に、肉付けしていく段階に入ってきています。
なお、論説中、日本が中国のカウンターウェイトたりうるかが、今後の日本の経済政策の成功にかかるところが大きい、という判断は、理論的にも、また、現実的にも、それは別の問題というべきでしょう。日本の安全保障の根幹に関する問題となれば、それは、それに要するコスト計算を上回る問題です。むしろ、オースリンは、日本が、より円滑に中国のカウンターウェイトとなれるよう、アベノミクスの成功を望み、激励してくれている、と解釈すべきかもしれません。
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