2026年4月29日(水)

造船立国ニッポンへ

2026年4月29日

AI、ヒューマノイドロボットの活用

 生成AIを活用した船舶設計の研究を担う一ノ瀬康雄特任准教授はこう話す。

 「設計現場の高齢化、人手不足などを背景として、大規模言語モデル(LLM)によるCAD設計支援システムの開発、設計データベースの構築、設計の自動化が求められている中、その実用化に向けた研究を進めています。

 阪大OCEANSでは現在、船舶設計ツールであるNAPAをAIで自動化するツールのプロトタイプを開発しています。そして、こうしたツールを開発し、使いこなすことができる人材を育成して、企業に送り込むことを目論んでいます。

 AIを活用した設計の目指すところは、造船設計に関するドメイン知識を持った設計者が自らの作業を自動化することです」

 AIに頼めば何でもできてしまうということではなく、その前提としてドメイン知識を持った人材を育てることも大学の役割だ。

 ヒューマノイドロボットの開発を研究する辰巳晃准教授はこう危機感を募らせる。

 「私の場合、専門は設計なのですが、建造の現場の人たちから、このままでは仕事が回らないという切実な声を聞いて、ロボットの活用は待ったなしだという思いを強くしました。

 特に、日本政府のロードマップとして2035年までに、建造量の倍増が示されましたが、そもそも人がいないということでは、話になりません。

 設計におけるAI活用と同様、中国と韓国が先行している状況ですが、日本がここで踏ん張れば、競争の土俵には残ることができると考えています」

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Wedge 2026年5月号より
造船立国ニッポンへ 「復活の号砲」を鳴らせ
造船立国ニッポンへ 「復活の号砲」を鳴らせ

かつて日本は世界一の建造量を誇ったが、現在、韓国、中国に大きく後れをとっている。 日本政府はここに来て、造船のテコ入れ開始を決めたが、その道のりは険しい。 島国である日本にとって、「海上輸送」がなければ企業活動も、生活も成り立たない。 日本の造船業が抱える課題や造船大国へと変貌した中国の実態と対抗策を示すと共に、 造船業は国家の「生命線」であることを改めて問い直す。


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