フィナンシャル・タイムズ紙は4月7日付けで「将来の世界貿易はホルムズ海峡に依存しない」との論説を掲げ、イラン戦争の結果、ホルムズ海峡に頼らない新たな輸送システムが湾岸で構築されていることに注目すべきだと指摘している。概要は次の通り。
世界は過去1カ月ホルムズ海峡危機が壊しているものの把握に努めてきた。船舶航行は混乱し、保険特約は上昇、石油価格は乱高下している。
しかし、地域では、今後の停戦や戦闘激化にかかわらず長続きする違う動きが出てきている。過去半世紀の貿易とインフラモデルは、数週間で再構築されつつある。過去1カ月間多数の湾岸諸国政府高官やビジネス指導者と危機後を議論してきたが、その対象は危機管理から脆弱性の元凶であるシステム再構築へと変わっている。
脆弱性は高い。石油の海上輸送の30%と液化天然ガス貿易の5分の1は、21海里幅の水路を通っている。海上輸送される肥料の3分の1と硫黄の半分も同水路に頼っており、世界的食料安全保障に直接的影響がある。アルミと半導体生産とAI供給網に必須なヘリウムも同様だ。
世界は多くの商業活動が唯一の海路に集中する異常事態を数十年間容認してきたが、もはや無理だ。ホルムズ海峡後の強靭性強化への投資は、将来の貿易インフラ構築に向かっている。
サウジ紅海側の港湾と紅海向けパイプライン容量拡大は、エネルギー輸送の代替策になる。アラブ首長国連邦(UAE)東岸は、深海港と湾岸産油国とインド洋を繋ぐ輸送ルートになる。
オマーンが開発するドゥクム港とソハール港は、チョークポイントの外側だ。商品とエネルギーは、既にこれらのルートを通りつつあり、一部は数カ月前まで不可能に見えた国境を跨ぐランドブリッジで輸送されている。
中東にはほとんど使われていない過去の遺産もある。過去の危機の際、建設され、数十年間不使用のパイプラインインフラや道路・鉄道路、既存のネットワークを超えた国境を跨ぐ送電線網や水供給網等だ。新たな協力によりこれらの遺産が地域と世界市場の連携を深め得る。
