カギ握るインド洋とオマーン
次いで、隘路を避ける他の地理的方策としては、UAEの東海岸かオマーンのインド洋側の海岸へ運び、そこから輸出するという手がある。UAEには、既に、180万B/Dの送油能力を持つ中国が建設したハブシャン・フジャイラ原油パイプラインがあり、UAEのアブダビの陸上油田があるハブシャンとインド洋側のフジャイラを結んでいる。
フジャイラはホルムズ海峡の外ではあるがイランから相当近く、タンカー燃料用のバンカーオイルの大集積地でもあり標的になり易く、イラン戦争でも既に何度か攻撃されている。
本格的にインド洋側を使うということであれば、やはりオマーンだろう。オマーンは、意識的に全方位外交を行い賢く立ち回っており、今回のイラン戦争でも当初イランと米国の仲介をし、中国がやったと言われるサウジ・イランの関係正常化も裏でオマーンがまとめたらしい。
インド洋側の港湾施設を戦略的に開発しているが、中でもドゥクム港はイランからも相当離れており、当初想定されていた中国の関与もなく、欧州企業の港湾業務への参画もあり、日本企業も注目してきた。今後、港湾の処理能力拡充や鉄道網による輸送能力強化が予定されているが、ここに官民連携しながら日本として積極的に関与していくことは検討の余地があるのではないだろうか。
さらに、湾岸以外の供給先多角化も当然検討すべきだが、やはり、湾岸諸国の生産能力は半端ではなく、それほど簡単ではない。米国、カナダ、ロシア、ベネズエラが考えられるが、それぞれ問題がある。
以上から見れば、まずはサウジのパイプライン・港湾処理能力拡充への投資、次いで、オマーンのドゥクム港開発への投資、そして、カナダ、米国からの購入拡大、といった順番になるのではないだろうか。

