「両岸頭条」は、過去にも親中的な虚偽情報を拡散している。連絡先やメールアドレスを調べたところ、同ページは香港の親中メディア「中華微視」傘下のFacebookページアカウントであることが判明した。同ページは何度も名称を変更しており、台湾や中国に管理者が分散している。
台湾と日本への攻撃で用いられた手法と比較すると、台湾に向けてデマを拡散する際、悪意ある攻撃者は、中国に関連するネットアカウントの使用を意図的に避ける傾向にある。
FactLinkは、その理由の一つに、台湾では長年にわたりメディアリテラシーやファクトチェックが推進されてきたことを挙げている。これにより、市民は「中国発の偽情報」に対して強い警戒心を持っており、情報操作を行う者も近年、その手法をより巧妙にし、発信源を隠そうとしている。
さらに「宝石外交」に関するデマ案件では、中国に関連する拡散経路が明確に確認されている。この両者の差異については、今後さらに深く探究する価値がある。
特徴4:「賄賂外交」を攻撃し、日台外交を悪化が目的
情報操作の攻撃チェーン全体において、「台湾・日本の賄賂外交」は中心的なテーマである。「ダークウェブへの流出」は「攻撃兵器」にあたる。「ダークウェブへの流出」は「技術的なハードル」も形成し、後を追うメディアが事実確認を困難にし、一般市民が真偽を見極めることを困難にしている。
中国に関連するアクターによって拡散されたテキストを検証すると、「賄賂外交」「金で買収された」「関与すれば汚職」といった共通するナラティブがあることが見て取れる。
これらは日本と台湾の外交関係を悪化させることを目的としている。この手法は、台湾内部の金銭外交への懐疑的な世論を利用し、台湾の外交を批判するものである。同時に、高市氏を「汚職だ、腐敗している」と誹謗中傷し、高市氏による「台湾有事」外交戦略の正当性を疑問視している。
FactLinkの研究によれば、ダークウェブで外交機密の「偽文書」を流出させる手法には、往々にして虚偽の情報が混入されている。これは、ダークウェブでのオンライン投稿や文書を「独占スクープ」として演出することで、真の争点を曖昧にし、特定の政府や政治家を誹謗中傷したり攻撃したりするという意図がある。
黄立安氏はまた、「国民の伝統的なメディアに対する信頼度が低下している現代において、いわゆるダークウェブを通じた情報の流出は、人々の関心を引きやすく、陰謀論の材料となり、それらの拡散を助長させる恐れがある」と指摘している。
「ダークウェブへの流出」+「偽造文書」の防止戦略
台湾は「ダークウェブへの流出」と「偽造文書」を組み合わせたサイバーセキュリティおよび情報操作による攻撃を何度も経験している。日本の「台湾有事発言」に対しても同様の手法が見られ、拡散経路には中国関連の悪意ある勢力の関与が確認された。
「ダークウェブでのリーク風の偽文書」は、台湾が度々遭遇している情報攻撃の手法である。それは、「ハッカーがダークウェブに機密文書を投稿した」というパターンを装い、真偽が混在した文書や、完全に捏造された虚構の文書という形式を通じて注目を集めさせ、ソーシャルメディアやメディアのユーザーを介して急速に拡散させるものである。
台湾へのこのような攻撃は外交や国家安全保障上の機密、未解明の歴史、あるいは個人のプライバシーに関わる内容を意図的に含ませることが多い。それによって、外部が即座に完全な情報を入手して照合することを困難にし、検証のハードルやデマ払拭の難度を高めると同時に、メディアによる先取り報道や世論の分断を助長させている。
この種の攻撃手法は、メディアのゲートキーパー機能、ファクトチェック機関の迅速な検証能力、そして一般市民のデジタルリテラシーや情報識別能力を試すものとなっている。
台湾と日本で、地域を跨ぎ、異なる事案における操作手法、拡散ネットワーク、ナラティブの共通点と相違点を比較することで、経験や研究成果を共有し、情報レジリエンスを構築するための戦略へと転換することができるだろう。
情報操作に対抗する関連機関は、これまでに発生した多数のサイバーセキュリティ攻撃事例を再検討し、検証プロセスや機関横断的な協力体制を構築するとともに、これらの事例を活用して記者向け研修プログラムやメディアリテラシー教育教材を開発し、情報のレジリエンスを強化することが極めて重要である。
資料協力:台湾民主実験室(Doublethink Lab)提供のFIMI Intelligence Dashboard
日本語版監修:野嶋剛

