2026年9月23日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年9月23日

 第三に、北朝鮮の核問題について何らかの制限を課しつつ、米国の制裁緩和や解除で「平和を実現した」と喧伝することを狙っているのではないか。

 第四に、26年1月の国家防衛戦略でも示したが、北朝鮮への対応の多くを韓国に委ねていくという政策的方向性に沿った動きであろう。トランプからすれば、在韓米軍のプレゼンスを低減させていくのであれば、それは、北朝鮮への接近の文脈でなされるべきことである。

 第五に、北朝鮮との取引によって北朝鮮への投資の機会を作れば、それは大きなビジネスとなる。米国にとっても、トランプ一族にとってもビジネス・チャンスである。

異なる韓国の立ち位置

 第一期トランプ政権において、米朝首脳会談がシンガポールとハノイで開催された時には、北朝鮮の非核化に向けての動きがあるかもしれないと期待された。ところが現在は、北朝鮮の非核化に向けて前向きの動きがあるとは到底思えない状況である。

 日本から米国に対して「やるべきでないこと」をインプットすることが重要である。米国が不適切な形で北朝鮮との関係を進展させることの含意を考えれば、それに取り組む必要がある。

 第一期トランプ政権の際の北朝鮮接近と異なる点の一つは、韓国の立ち位置である。第一期トランプ政権の際には、韓国は米朝接近を積極的に仲介しようとした。ところが、今回は、頭ごなしに、かつ唐突な米韓共同演習の縮小を伴った形で北朝鮮への接近が図られている。

 リベラル派の李在明政権には、対北対話の再開や朝鮮半島の緊張緩和への期待はありつつも、韓国が蚊帳の外に置かれるリスクも強く意識しているであろう。

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