2024年7月15日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年9月16日

 しかし、このプロセスは、注意深く扱われなければならない。中国が先進的な弾道ミサイルに投資しているので、沖縄の基地は、ますます脆弱性を増している。軍事的利益が減少したので基地を日本に返すことに決めた、と見られるのを避け、また、基地移管が米国の同盟への再コミットメントであることを表すため、移管を管理するための合同委員会を設置しなければならないであろう。

 日本にとり、米国との同盟において、対等なパートナーになることは、地域的、世界的地位を確固たるものにするために、決定的に重要である。この目的のため、集団防衛に向けた、安倍総理の穏当な一歩は、正しい方向である、と述べています。

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 本来、ナイは日米同盟についてそれほど強い信念を持っているわけでもありませんでしたが、そのナイがこういう論説を書いてくれたことで、集団的自衛権の行使が日米同盟に及ぼす影響についての米側識者の論調には、心配するところはないと言って良いと思います。日本の防衛政策見直しへの評価自体は、全く常識的で妥当であり、日米がより対等になるべきであるというのも、その通りです。ナイは米政府部内で、あるいは、日本の大使館から、良いブリーフを受けているのでしょう。

 ただ、沖縄については、「沖縄の人民は基地の負担にあえいでおり、これを解決しないと日米同盟の基礎が揺らぐ」という米国の一部のリベラルな日本専門家の判断の影響が残っているようです。しかし、同盟において、より対等になるには、行動の面でより対等になるのが筋であり、それは、基地をどうするかよりも、集団的自衛権の行使と自助努力の拡大により達成されるものです。

 また、中国への対応について、失敗であったことが明らかな「責任あるステークホルダー」論を掲げ、中国を敵視することは自己実現的であるとの持論を繰り返している点も、この論説の弱点と言えるでしょう。

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