2022年8月15日(月)

炎上?感動?ネットで話題のニュース

2014年10月3日

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小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

 発注元を社長、受注側を社員と置き換えても似たことが言えるだろう。恐らく、藤田社長が辞めた社員に対して「激怒」したのはそれなりの言い分があるだろうし、辞めた社員にも非があるだろう。だが、これは「言ったもの負け」であるとも思う。藤田社長のこの記事を支持する人の多くは、恐らく経営か管理職の経験がある人ではないだろうか(それと、現在のサイバーエージェント社員)。

 あまり話題にならなかったが、今年1月に、『トリニティ』というスピリチュアル系雑誌の編集長が辞めた編集部員を誌面上で実名批判したことがあった。

参考記事:
スピ系雑誌「トリニティ」編集長、退職した女性社員を誌面上で実名批判 さらにメールの内容も全文公開(ウートピ/1月30日)
http://wotopi.jp/archives/1780

 藤田社長の記事とは比べようもない感情的で支離滅裂な文章だったが、「辞めた社員を批判する」という行為について藤田社長を批判している人から見れば、同じぐらい見苦しいと感じるのかもしれない。

 とはいえ。藤田社長も記事の中で「社員が辞めることなど日常茶飯事であり、もちろん通常はいちいち怒ったりしません」と書いている通り、辞めること自体が問題なのではない。辞め際、去り際にはその人の要領の良さが出るものだ。要領の良い人ほど、去られる側が「恩を仇で返された」「後ろ足で砂をかけられた」と感じる辞め方にならないように心を尽くす。

 「残った社員に対するポーズとして怒って見せるってのはわかる。実際プロジェクトの残作業押し付けられる社員からすれば社長が『快く送り出して』なんて言ってたらやってられん(https://twitter.com/kz78_b/status/517255120946348032)」というコメントがあったが、一部の人が指摘している通り、藤田社長は記事やブログを通して社員の士気を高めたいという意図があったのだろう。もしかしたら、辞めた社員に対する社内での「怒り」を発散させる意図もあったのかもしれない。それがネットのニュースとして広く拡散し、我々が目撃し、賛否を好き勝手にコメントする。そういう時代であるのだと思う。

  

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