「今の日本企業は、中国に生産拠点を移して、ものづくりへの愛情を失っている。技術者出身の経営者も少なくなって、コストのことばかり考えている。経済は、お金だけが全てじゃないんですよ。日本のものづくりが世界一になったのは、ラグビーのような技術者たちの『ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン』の精神があったから。ものづくりは『魂』ですよ。今の日本には、心の経済が足りない。情熱、元気、やりがい。私は、アベノミクスを『ココロノミクス』に変えたいと思っています」
神戸製鋼所時代、元ラグビー日本代表の山口良治さんと出会い、仲間と共に挑戦する心構えを学んだ。自分の会社を立ち上げると、真っ先に山口さんを自社の顧問に迎えた。
4歳の時、兄を病気で亡くしているガルグさん。当時のインドの電力などの社会インフラ事情でワクチン輸送が難しかったことが原因だった。だからこそ、無電源で世界中どこへでも運んでいける、CO2も排出しない冷却技術に注目。そして、医療用医薬品に求められる厳しい品質管理を実現すべく日本製にこだわった。東京での起業から約7年。日本航空やアルフレッサと提携し、今年は世界市場へと大きく羽ばたく年になる。日本企業と共に『ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン』のチームプレイで「定温物流の業界に革命を起こしたい」と大きな目標を掲げる。
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