2024年4月26日(金)

world rice

2014年11月24日

 今年のカリフォルニアは史上最悪の干魃で、コシヒカリの生産量は激減しました。「来年は雨が降る」と根拠もなく期待している業界関係者もいますが、カリフォルニアの水不足は楽観できるような状況ではありません。来年のコメの作付面積は、今年よりも減少すると予測されています。

 中粒種も含めアメリカ国内で消費される日本食用カリフォルニア産短粒および中粒米は、毎年20~30万トンと言われています。まずこの市場で一定のシェアを得る戦略を立てて輸出を始めれば、将来とも安定した市場へ入ることができます。

 さらにヨーロッパやロシアの寿司用米を中心とした、良質米市場も拡大しています。この市場での良質米はカリフォルニアから輸入しています。安定した品質の日本産良質米を提案することで、市場での優位性を出すことは可能です。スペインやイタリア産の中粒種も含め、10万トン以上の日本食用米の市場が存在しています。

 少し日本からは遠いのですが南米でも寿司ブームは拡大しています。使っているコメは南米産長粒種からカリフォルニア産短粒種までいろいろです。水不足でカリフォルニア産米のブラジル向け輸出が激減し、急きょウルグアイから仕入れて販売しているブラジルの精米業者もいます。

 価格が下がったから輸出するのではなく、世界の良質米市場を開拓して将来の安定輸出につなげるチャンスをつかむために、今のコメを使うべきです。

  
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◆Wedge2014年11月号


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