2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2014年12月15日

 都内のビジネススクールで教鞭を執る40代のこの女性によれば、すでにSNSでつながりを持つ15人ほどがこのサービスを利用しており、その多くは「新しいもの好きでスマートな体形の高所得ビジネスマン」。彼女もアンジーが乳房切除をしたというニュースが流れた昨年5月頃から国内外の各社を調べはじめ、サービス開始前から申し込みをしたという。

 「けっこう当たってるんですよね……。生まれたときの頭の大きさとか、子供のころの成長の仕方とか。余計なお世話ですけど、胸の大きさとか」

 ヒトの遺伝情報は99.9%以上が同じである。しかし、人によって髪の色や目の大きさが違ったりするのは、わずか0.1%以下の遺伝子の差に関係している。遺伝情報はアデニン、チミン、シトシン、グアニンという4つの塩基(それぞれA、T、C、Gの記号で示される)の長い羅列としてDNAの上に書き込まれ「遺伝子」というユニットを形成しているが、例えば、塩基ひとつが抜けると、奇形や疾患などの「異常」となって現れる。しかし、ひとつが他の塩基に入れ替わっているだけであれば、ほとんどの場合、髪の色や目の大きさといった「個性」として現れるに過ぎない。これが個人向け遺伝子検査で見ている「SNP(スニップ・一塩基多型)」と呼ばれる遺伝子型だ。

 個人向け遺伝子検査が対象とする、生活習慣病やがんなどの疾患は、生活習慣や職業環境などの「環境要因」と、先祖から遺伝的に受け継いだ「遺伝要因」の両方が複雑に絡み合って発症する。これらの疾患の発症に対する影響力は、環境要因が遺伝要因を上回るが、影響力の少ない遺伝部分にわずかな個人差がある。しかも、その個人差を決定する各SNPの影響力は、ほとんどが1.2倍以下という小さな数値だ。

 関連SNPが複数あるときは、その値を単純に掛け合わせることになっているため、時には2倍を超えるような値になることもある。しかし、この計算にも根拠もない。心配は無用だ。


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