世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年1月16日

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 中国の狙いが、単なる経済的なものにとどまらず、中国の勢力圏の拡大にあることは、間違いありません。中国は、大っぴらにこの地域を中国の勢力圏に取り込もうとはしないでしょうが、歴史的にこの地域を中国の勢力圏であるとみなしています。中国は経済開発の梃子を使って、中・長期的にこの地域に覇権を確立しようとするでしょう。

 これら諸国は、このような中国の戦略に如何に対処することができるでしょうか。一つは、個々の国としてではなく、ASEANという地域共同体として中国に当たることです。ASEANは2015年には経済共同体となり、これまで以上にASEANの連帯意識が高まることが予想され、そのような連帯意識をもって中国に対処すれば、個々の国が対処するより中国に対する立場が強くなるでしょう。

 今一つは、日米、豪州といった地域の他の関係国がこれらの国との経済を中心とする協力関係を強化することです。特に、日本はタイを中心に、東南アジアの経済開発に大きく貢献してきました。アジアインフラ銀行や、シルクロード資金といった中国の資金力に直接対抗することは困難にしても、ラオス、ミャンマー、ベトナム、タイのニーズにきめ細かく対応することは可能であり、そのような協力が中国の影響力に対するバランスの役割を果たすことが期待されます。

  
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