2024年11月25日(月)

Wedge REPORT

2015年1月13日

レンタルビデオの数千倍の粗利率

 昨今の格安SIM、格安スマホ市場の特徴は、ビックカメラやイオンなどの量販店や百貨店、そしてゲオやTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)など流通大手が続々と参入している点が挙げられる。その背景として流通各社にとって、格安SIMや格安スマホは既存の商材よりも粗利率が高く、売れる商材という側面がある。

 例えば、ある大手流通関係者は「格安SIMの粗利率は、レンタルビデオの4000倍以上」と明かす。レンタルビデオ業は多数のタイトルを揃えなければならず、さらに棚のスペースもかさむ。それに比べ、格安SIMはスペースを取らず、レンタルビデオショップなどでの扱いも多い中古端末との親和性も高い。売りやすく、粗利も高いというわけだ。

 流通大手は、既に全国に販路を張り巡らせている点でも大きな潜在力がある。例えばゲオやTSUTAYAは全国に1000店舗以上を持ち、これは大手携帯キャリアのショップ数に匹敵する数だ。

 総務省はMVNOの契約数を、16年中に約1500万契約に拡大する目標を掲げている。大手キャリアと比べて手薄な保守やサポート面での拡充が不可欠などの課題はあるが、昨今の格安SIM、格安スマホの勢い、流通大手の参入動向を見ていると、この目標の達成も決して無理な水準ではないだろう。

  
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◆Wedge2015年1月号より


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