本書は発売してすぐ、ニューヨーク・タイムズ紙の週間ベストセラーリスト(ウエブ版7月30日付)の単行本ノンフィクション部門で7位に初登場。その翌週も9位につけた。
なお、住宅バブルが拡大した背景として、本書では次のようなアメリカの住宅市場の経験則をよりどころに、市場関係者がみな住宅価格は上がり続けると妄信した点をあげる。
The U.S. housing market had never dropped more than five percent in any year since the Great Depression. (p110)
「アメリカの住宅価格は大恐慌以降、年に5%を超える下落率を記録したことはこれまでなかった」
参考になる指摘ではあるが、これとまったく同じセンテンス(文)が同じページにもう1度出てくるうえ、3ページ後にもまったく同じ表現が再び出てくる。繰り返しによるなんらかの効果を狙ったレトリックの一種なのだろうか。評者の森川にはそう思えなかった。
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