高崎は1匹だけだが自宅で9年飼い続けている猫好き。開発パートナーのデザイナーも可愛いキャラクターづくりが得意で、猫をテーマとすることになった。「もちろん売れる作品を目指すが、自分たちで好きなものをやらせてもらえるのが自社オリジナルのいいところ」(高崎)と、肩から力を抜いて制作できた。
放置系もこの会社では初めての試みだった。高崎は自分の経験を生かし「猫好きが思わずくすっと笑えるような猫の動き」を、このゲームに織り込んでいった。「ニッチな作品」でいいとも思っていた。
ヒットの原動力でもある「癒し」については、「全く意外な反響だった」と、率直に話す。つまり、これだけ多くのユーザーを獲得できるのは想定外だったというわけだ。
もっとも、ユーザーの要望を反映しながらゲームを育むように改良していった地道な努力も評価されるべきだろう。例えば当初、猫は25匹でスタートしたが、図鑑なども参考にして徐々に増やし、これからも増えるそうだ。一番の苦労はソフトの不具合であるバグへの対応だった。100人を超えるユーザーから一斉に指摘が届くなど「当初の嬉しい悲鳴は、本当の悲鳴に変わった」と苦笑交じりに振り返る。
高崎が何より喜んでいるのは「オリジナルでも人気作品ができると社内の意識が変わった」ことだ。自身もこれから「どんどんオリジナルに取り組む」という。間違いなく、クリエーターとしての高崎に一大転機をもたらす作品だ。(敬称略)
高崎 豊(Yutaka Takazaki)
プロジェクトマネージャー
1980年生まれ。2001年に大阪ゲームデザイナー学院を卒業し、京都市のゲーム会社に就職。その後2社を経て、07年にかつての上司が設立したヒットポイントに入社。幼年時からゲームに親しみ、高校時代にゲームで生計を立てる決意を固めた。進路に反対した両親も、今は意志を貫いた息子のゲームを楽しむ。
プロジェクトマネージャー
1980年生まれ。2001年に大阪ゲームデザイナー学院を卒業し、京都市のゲーム会社に就職。その後2社を経て、07年にかつての上司が設立したヒットポイントに入社。幼年時からゲームに親しみ、高校時代にゲームで生計を立てる決意を固めた。進路に反対した両親も、今は意志を貫いた息子のゲームを楽しむ。
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