庭先にやってくる猫を写真に撮ったりして楽しむスマートフォン(スマホ)のゲーム。プレーヤーが常に画面を操作するのではなく、エサとボールなどの遊び道具を庭先に置いたままにし、好きな時に画面を開いてゲームする「放置系」と呼ばれるタイプだ。45種類に及ぶ猫のキャラクターやその動きに「癒される」という反響が多く寄せられている。
ゲームで使う遊具などのグッズは代金を払って購入することもできるが、無料でも十分楽しめるのも人気を支えているようだ。2014年10月にリリースした直後からジワジワと広まり、今年2月にはユーザー数に相当するダウンロード数がスマホゲームでは大ヒットとされる100万を突破した。
8月中旬時点ではさらに640万に上昇している。面白いのは、現在は日本語バージョンだけなのに、韓国、中国、北米を中心に海外のユーザーがおよそ25%を占めていることだ。それだけ直感的に操作できるわけで、国籍だけでなく、年齢層でも子どもから年配者まで幅広いユーザーを獲得している。海外のファンには、自分のブログに母国語で遊び方を紹介するというマニアもいる。
制作したのはプロジェクトマネージャーの高崎豊(34歳)とデザインスタッフ1人で、ユーザーの増加に応じ、応援要員が加わっている。ヒットポイント(京都市)は総員20人弱のゲームソフト会社。主にプレーヤーがゲームのなかで主人公などになる冒険もののRPG(ロール・プレーイング・ゲーム)の受託開発を手掛けている。
スタッフは数人のチームを組みながら、プロジェクト方式で日常の開発業務をこなす。プロジェクトの合間に手の空いたチームが自社開発のオリジナルゲームを制作しており、「ねこあつめ」もそうした“スキ間”からわずか2人のクリエーターによって生まれた。