2024年11月22日(金)

家電口論

2015年11月5日

B to Bに力を入れる

 組織作りが終了した1年後、もしくは1.5年後、野心的なVAIOのPCが出てくるのかとの期待を込め、次の商品のあり方について聞いて見ました。

 「B to BのPCに力を入れます。ルートも商品も重要です」

 実は、期待していた答えとは、ちょっと違いました。が、これしかないことにも、思い当たりました。今、B to Cに力を入れても、すぐに経営は上向かないのです。理由は、スマートフォン(以下スマホ)。その昔、B to CのPC用途は、メールにネット、ゲームに年賀状と言われましたが、今、年賀状以外は、スマホで対応可能です。本来、PCは創造性を助けるツールなのですが、B to Cはそのニーズは大きくないわけです。その点、B to Bは、スマホよりじっくり考えることの出来るPCが支持されるというわけです。このため、VAIOは基盤市場をB to Bに置いたわけです。

1年で海外展開に踏み切った理由

 そうは言いながら、VAIOは1年で、米国、そしてブラジルでの販売を決めています。その当たりを細かくうかがってみました。

米国で販売される VAIO A Canvas

 「まず、双方共にVAIOブランドに愛着を持ってくれているエリアで、高い人気があります。が、米国とブラジルでは性質が異なります。米国での販売の中心は、VAIO Canvasです。理由は米国では、日本の数倍個人クリエイターがいるからです。仕事の質により収入が大きく変わるわけですので、彼らはいいツールと判断すれば、お金を払います。ブラジルの方は、POSITIVO INFORMATICAとの提携です。こちらは日本より輸出しません。製造、販売ともに海外です。ブラジルではいろいろなモデルが必要になりますから」

 ブランド力の有効活用というわけですが、この「郷に入れば、郷に従う」かつ、リスクを小さくする方法は、商社畑の経験がある大田氏に相応しいと感じました。

VAIOのDNAを見せつけるモデルは?

 インタビューしながら感じたのは、打てる手を打ったので、今からそれをきちんと芽吹かせて実らせようとする、堅実な経営の考え方です。これはこれでイイのですが、やはりVAIOに期待したいのは、「VAIOらしい」PCです。やはり、これが気に掛かってしょうがない。で、素直に B to CのVAIOらしいモデルの投入に関して質問してみました。

 「PCでも、半年で設計ができるかと言えば、そうではありません。長いものは数年かかります。すでに仕込みに入っていますので、ご期待ください!」

 人間には、雌伏の時と雄飛の時があります。会社も法人ですから、同じです。ここ1年雌伏の時を過ごすVAIOの、雄飛の時が待ち遠しいです。

  
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