最強の認知は、「××の一つ覚え」
唐突ですが、現在、日本でブランド認知が高い家電メーカーとして、英「ダイソン」が上げられます。いろいろな家電メーカーが、掃除機の進化はないとした時に、サイクロンシステムを引っさげて登場。世界を制覇したメーカーです。ダイソンの宣伝文句は、私が知る限り、一度も変わっていません。
「ダイソン、吸引力の変わらない、たった一つの掃除機」
××の一つ覚えと言ってもイイでしょうね。しかし、これにより、日本人は「吸引力」という言葉を覚え、ダイソンの掃除機を認知したのです。ダイソンの掃除機は、これを10年以上続けました。新規技術を入れても、最後は必ずこれで締めくくります。結果、現在、掃除機と言えば「ダイソン」と言われるほどのユーザー認知を得ています。
昔の広告はこのようなモノが多かったです。自分を覚えてもらうためですね。「明るいナショナル」「光る、光る東芝」「お正月を撮そう、富士カラーで撮そう」等々。認知は、よほど劇的なことがない限り、時間と共に形成されて行きます。繰り返し伝えるのはとても重要です。
ベルリンの戦争遺産
私は常々、これと同じ事を日本の戦後処理で感じています。日本は太平洋戦争のポジショニングを明確にしていません。このため、「日本はこうなんだ」と連呼できません。多分、このあやふやな態度が、いつまでも「日本は十分な対応をしていない」と言われる所以でしょう。しかし、同様の敗戦国、しかもユダヤ人種絶滅まで掲げたドイツに対し、「対応が不十分」という国は、ないですね。どこが違うのか、ベルリンで確かめてみました。
ソビエト戦勝記念碑
ブランデンブルグ門から西へ、6月17日通りが走っています。この通りには、映画「ベルリンの詩」で象徴的に映し出された戦勝記念塔(塔の上に金の勝利の女神ヴィクトリアが立っている)があるのでご存じの方も多いと思います。その間に「ソビエト戦勝記念碑」があります。
記念碑といっても、石の看板が1つ立っているわけではありません。ベルリンの中心部、かなり大きな敷地に戦車などのモニュメントが並んでいるのです。非常に「生々しい」碑です。