2024年4月19日(金)

家電口論

2015年11月22日

当たり前のことを深く考える

 先日、ドイツのミーレ社の開発責任者と話す機会がありました。ミーレは食洗機、洗濯機、そしてビルトイン、そして高価格帯(洗濯機で40万円クラスです)で有名なメーカーです。で、その秘訣を聞いてみました。

 開発責任者も「どうしてでしょうかね?」と言っていましたが、彼を話の中で、「一番大変なのは、開発チーム全員同じ方向を向くことです。これができれば、社長の承認を得ることは難しくありません。」と聞いた時、思い当たりました。開発チームは三十数名いるそうですが、最終的に全員が合意できるまで徹底的に討論するというわけです。

 欧米の人と仕事をした人はお分かりと思いますが、彼らは、唯々諾々と承知することはまずありません。明確な理論で納得してもらう必要があります。
また、英語を含め、ヨーロッパは曖昧な表現が少ないですから、結論も明確です。要するに、コンセプトを徹底的に深掘り、そして商品化させるわけです。
商品を熟知している者がそれをするのですから、半端な議論で、収まらないで
しょうね。そして、そこから生み出されるハーモニーこそが、ミーレをミーレたらしめているのではないかと思います。

 家電は、××できればイイというものではありません。一緒にいて、居心地いいかどうかは、スゴく重要です。その良さは、ハーモニーからでるわけです。日本の多くのメーカーが「らしくない」と言われる今、日本のメーカーに求められているのは、ハーモニーを奏でることだと、異国の地で思いました。

  
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