日本での有終の美を飾る
秋から冬にかけては例年日本でのプレーに集中しているのだが、今年は代表選考会があるために、日本とオーストラリアを何度も往復している。「貯まったのはマイルだけ」なんて笑って話す山田選手だが、日本のクラブチームNLC SCHERZOでは、チームの精神的支柱としてプレー。関西リーグでは12連覇を飾り、11/23には全日本クラブ選手権準決勝でNeOを相手に5-3と接戦を制した。そして、12/5にはラクロス全日本クラブ選手権決勝戦が関東チャンピオンのFUSIONを相手に駒沢オリンピック公園総合運動場第2球技場で行われる。
クラブ選手権後には大学生と争う全日本選手権が待ち受けているのだが、今年は12/17からの代表選考会があり、再びオーストラリアに戻ることになっている。そして、来シーズンは2016年の12月まで代表選考会が続くことから、日本でのプレーは未定である。「全日本クラブ選手権の決勝がスケルツォでの最後の試合になるかもしれません」と山田選手は言う。
NLC SCHERZのキャプテン藤原万里子選手は、山田選手の大きさについてこう語る。「さちさんはチームによい刺激を与えてくれる存在です。時には厳しいことをズバっと言い、褒めるところは褒めて一人ひとりのよさを最大限に引き出し、自らもプレーでチームを引っ張ってくれる、チームに欠かせない選手です。日本での最後の試合で必ず日本一のタイトルを一緒に獲って、さちさんの夢を応援したいと思います」
オーストラリアではこれから厳しい一年が続く。12月の合宿後は、3月・6月・10月と続き、そして2016年の12月の最終選考会でロンドンワールドカップ2017を戦うオーストラリア代表が決定する。緊張感のある日々が続くことになるが、「スポーツってやっぱり楽しむものですから、その緊張も含めて楽しみます。人生お一人様一回限りなんで、楽しまないと損ですからね」と山田選手は屈託なく笑った。2013年の挫折から自らを高めることで臨んでいる今回の代表選考会。2017年、オーストラリア代表のイエロージャージを身に纏った山田幸代選手の突き抜けるような笑顔が、ロンドンの曇り空を照らしているに違いない。
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