もう一点バーラ会長が強調したのは、GMオンスターによる車内コミュニケーションシステムには当然ナビゲーションがついているが、「EVならではのナビシステム」を提供できる、という点だ。通常のルートの他、チャージステーションを含んだルート、距離は長くなるが高低差が少ないなどでバッテリーが長持ちするルートを提案できるという。
現在の米国におけるEV売上は日産「リーフ」がトップ、続いてテスラ「モデルS 」で、プラグインハイブリッド「ボルト」は5万ドル近い価格もあってやや苦戦しているが、一気に3万ドルという価格になることで、EV市場に大きな変化をもたらす可能性がある。
イスラエルのハイテク企業
「モバイルアイ社」と提携
さらに、シボレーは自動運転への取り組みの一環としてセンサーカメラの開発企業である「モバイルアイ社」との提携も発表。これまでは自動運転の分野ではやや遅れ気味だったGMだが、「スケールメリット」で一気に他のメーカーに追いつく姿勢だ。
2020年までに13のEVモデルを投入する、というフォードに比べるとやや物足りない感はある。しかしボルトはすでに第三世代に突入、とEVとしての認知度はそれなりに高い。今後の米のEV競争は、やはり従来のビッグ3と日本メーカーによる戦いに戻るのか、テスラがニッチマーケットを抜けだしてEV市場ではメジャーになるのか。あるいはこのところ米進出が相次ぐ中国のEVメーカーがこれらと肩を並べる存在になるのか。EVというマーケットだけを切り離して考えると、ますます面白い展開となりそうだ。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。