2023年2月7日(火)

WEDGE REPORT

2016年1月25日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 2人の候補の最大の違いは、健康保険に関するものかもしれない。オバマ大統領が始めた国民皆保険制度、通称「オバマケア」は、基本的にはブルークロスなどの巨大保険会社による個人保険に、低所得者が加入できるよう国が補助金を出す、という考え方だ。クリントン候補はこれを推し進め、米国の保険の充実を訴える。

政府保証型の国民健康保険制度導入を訴える

 しかしサンダース候補は「いい加減保険会社に牛耳られた制度から脱却すべき」と、日本や諸外国のような政府保証型の国民健康保険制度導入を訴える。
2人の戦いが白熱してきた理由の一つとして挙げられるのが、このまま行けば共和党候補はトランプ氏になりそうな雲行きであること。「相手がトランプなら誰が候補でも勝てる」という楽観論が民主党の中にはある。もともとトランプ氏の「ヒラリー嫌い」は有名で、2人の舌戦に期待する声もあるにはあるが、クリントン候補が感情的になるとトランプ氏に揚げ足を取られる可能性もある。

 サンダース候補が民主党候補になった場合、「最もプア」と「最もリッチ」の戦いとなる。水と油のように全く異なる2人が全く噛み合わない議論を戦わせる様子も「見てみたい」という興味をそそる。情熱の人サンダース候補ならば、立板に水のごとく喋り続けるトランプ氏を黙らせることも可能かもしれない。トランプ氏にとってもサンダース候補の方が「攻めにくい」相手であることは確かだ。

 ニューハンプシャーの投票は序盤であるため、ここでサンダース候補が大きくリードするとその後の投票に大きな影響を与える可能性がある。1988年の選挙で対立候補のボブ・ドール氏に15ポイントの差をつけ、そのまま大統領となったジョージ・H・ブッシュ氏が「サンキュー、ニューハンプシャー」と口に出したのが流行語になったことを覚えている人も多いだろう。同じ言葉を今年サンダース候補が口にする可能性はゼロではない。

  
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