2024年4月20日(土)

未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ 「まだシングル、ずっとシングル」

2016年2月19日

お見合いは“つり合い”作用が働く

 

iStock

 また、一からやり直すことになった。

 ちなみに、先の仲人さんによれば、お見合いで成婚する女性は、「だいたい2~30人とお見合いをして、そのうちの一人と結婚を決めますね。そこで決めない人は、決まりません」

 20人の男性と会うのに、「35歳以下の女性なら3か月あればスケジュールが組めますが、49歳の幸恵さんのときは1年4か月かかりました」

 とはいえ、何歳でもどんな条件であっても、「2~30人の男性と会えれば、そして、女性に決める心があれば、結婚は決まる」と現実を見続けている立場から力説した。

 「大切なのは、申し込むときにお見合いを“OKしてもらえるゾーン”の男性に申し込むことなんです。10人の男性に申し込みをして、一人からOKをもらえているなら、その”ゾーン“は、彼女につり合ったゾーンで、間違っていないんです。でも、20人以上に申し込んで、一人からもお見合いをしてもらえなかったり、やっと一人だけとお見合いが成立するなどの場合は、そもそも希望する男性のゾーンが、彼女につり合ってないんです。要は、高望みをしてるんです。たとえば、最初の希望条件が年収800万円の設定だとしたら、600万円に設定し直すなどして幅を広げるのが大事です。もちろん、条件は年収に限りませんが」

 

2~30人に会って“成婚”

 

 お見合いでは、10人に申し込みをしたときに一人からOKをもらえる程度の“条件設定”が、相手選びの目安なのだ。それを仲人さんは”つり合い“と表現した。

 なお、先ほどから“申し込み”と書いてきているが、現代のお見合いでは、男性と女性の比率がおよそ3:7と男性優位な現実があるので、女性からも申し込む気概が必要とされるという。

 「女性から10人の男性に申し込みをして、一人にOKをもらえるくらいが平均的な割合ですね。そのOKを、合計2~30人から貰って……ということは、実際のお見合いを2~30回すると、一人の結婚相手に巡り合える……というのが、お見合いで成婚していく女性たちのリアルな“平均値”です」

 49歳でお見合いを始めた幸恵さんは、21人の男性と会い、先の年下男性を含めて2人と交際に至った。なお、“交際”というのは、お見合い界では、1回目でお互いがNGを出さなかったことを示すだけで、一般にいう交際とは意味が違うと付け加えておく(注・詳しくはシリーズ第2回の『“お見合い恋愛”の時代到来!』参照)。

 

夫との出会い

 

 その後、50歳で夫となる62歳の男性とお見合いをする。

 「12歳も年上ですし、好きなタイプでもなかったのですが、お見合いはしたかったので、楽しみに出かけました。まあ、彼に会おうと思ったのは、当時はほかに会える人がいなかったというのもありますが」

 実際に会っても、特に好印象を持ったわけではなかった。

 「それもあって、初対面のときから思い切り、仕事の愚痴をこぼしました。よく思われたい気持ちがなかったので、言いたいことを好き勝手に言いました。そのころは、上司に辛く当たられていた時期だったので、『辛い』と愚痴りまくったんですが、彼は話に引くどころか、『僕も60歳で定年になり契約社員になったので、年下の上司でやり辛いんだよ』とむしろ共感してくれて……」


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