—— サンダース候補の「公立大学の無償化」は、いかにも若者ウケする提案です。クリントン候補は賛同していないでしょうか?
海野 「トランプの息子まで無償化する必要はない」と、クリントン候補は言っています(笑)。いずれにしても、人種的マイノリティやLGBTなどオバマ大統領が選挙戦で作り上げた「異文化連合軍」を踏襲するクリントン陣営としては、若者を取り込むことは必須です。
サンダース候補は、クリントン候補を「ウォール街から献金をもらうエスタブリッシュメントだ」と強烈に非難していますが、戸別訪問をしてみると、クリントン支持者は「サンダースは良い人です」と批判を控えるのです。
今、若者に向けて訴えているのは、サンダース氏が多くの約束をしすぎているという点です。公立大学の無償化、国民皆保険、ワシントン改革など、いくつもの理想主義的な提案の実現は本当に可能なのでしょうか? と。サンダース候補とクリントン候補の対立の構図は、「理想主義VSプラグマティズム」「チェンジVS改善」です。
若者からの支持されている元サンアントニオ市長で、オバマ大統領に住宅都市開発長官に抜擢されたフリアン・カストロ氏を副大統領候補として迎え入れるというアイデアもあります。