シェムリアップの日系ゲストハウス
東南アジアなど日本人バックパッカーが多い地域では自然と日本人が多く集まるゲストハウスやホステルがある。いわゆる日系ゲストハウスである。例えば「地球の歩き方」などの日本のガイドブックに載っているとか、日本語の上手い従業員がいるとか、オーナーの奥さんが日本人とか、何らかの理由で評判が広がりゲストの大半が日本人となっている。同様に中国系や韓国系のゲストハウスもある。
こうした日系ゲストハウスでは日本の中高年の年金生活者が幾人か長期逗留している。シェムリアップで会った何人かはタイに長期滞在しているが観光ビザの期限の関係で3カ月に1回は出国して再入国しなければならずシェムリアップで時間潰ししていると語っていた。
その他にも何をしているのか分からない日本の中高年をしばしば見かけた。何もすることがないようで旅行者が置いていった古本や雑誌を読んだりして暇を潰している。どうもこうした同年代の中高年とは挨拶程度の会話しかできない。というのもお互いに相手の素性を探るような感じで警戒してしまうからだ。また話題や関心がビザの延長方法、安宿情報、日本からの年金送金方法などであり会話が続かない。
12月1日 シェムリアップ最後の夜に
例によってシャワーを浴びて夕陽を見ながらバルコニーでビールを飲んで、それから町に出て屋台でカンボジア焼きそばを食べてゲストハウスに9時頃帰還。翌朝、ラオスに移動するので荷造りしていると日本女子バックパッカーが隣のベッドにチェックイン。
挨拶して1分もせずに直観した。彼女とは何時間でも話ができると。私はバックパッカー旅行を続ける中で“直観”の重要性を認識するようになった。外人でも日本人でも老若男女誰でも自分が会話を続けられない相手は最初の30秒で判別できる。このような場合、無理して会話を続けても面白いことはなく時間の無駄となり後悔の念だけが残る。逆に1分話して直観的に“面白い”と感じた相手とは何時間でも充実した交流ができるというのが過去2年の放浪経験から得られた“鉄板の法則”である。