2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2016年3月5日

山北の夏期合宿でツリーハウスに登る子供たち

 ふと夫が「僕たちの子育ては間違っていたのだろうか」と言葉を漏らしたとき、子どもから「私は失敗していない。パパとママにとってダメな存在ではない。立ち止まって、どちらの道に進むべきか分からずにトンネルの中にいるだけ」と言われました。はじめ塾でいろいろと学んでいた私は、無条件に我が子を信じようと思いました。そして学校の内情を知るほどに、この環境に我が子を置いてはおけないと思い、そこに馴染んで適応している余所の子どもたちの姿の方に疑問さえ感じるようになりました。

自分らしく生きる大切さに気付かせてくれる場

 皆さんのお話を伺っていると、はじめ塾と関わる父母の共通点は、社会一般の価値観に囚われることなく、自分らしい生き方を追求する姿勢だと感じます。例えば、我が子が学校に適応できないといった問題にぶつかった時、第一に子どもの立場に立って問題解決の方法を考えます。そして、子どもがその子らしく、親もまたその人らしくいられるためならば、不登校を選んだ我が子の選択を尊重し、新たな道に進むための努力を惜しみません。その結果、子どもたちは元気を取り戻すだけでなく、最初のうち涙を流していたお母さんも笑顔になって、いつしか持てる力を発揮して活動の支え手にまで育っていくケースが多いです。

 このような体験をした父母には力強さがあり、信頼できる安心感がありますね。何かが起こった時にお互いに補い合える「仲間」を得たような感覚です。はじめ塾は、自分らしく生きることの大切さに気づかせてくれる場です。子どもだけでなく父母にとっても、そのような場に出会えたのは、とても幸せなことだと思います。

伊藤さん(父):本当にそうですね。はじめ塾では、長く関わっている人とそうでない人をわけ隔てしません。親同士がひとの子どもの成長ぶりを見守り合える関係が築かれていて、とても素晴らしいですね。客観的に我が子の話を聞かせてもらえると嬉しいものです。

高橋さん:合宿に親子で参加すると、始めのうちは我が子ばかり気になって目で追ってしまいます。そして、もっと元気に、もっと中心に立って動いてほしい、といった余計な思いを抱くものですが、他の親御さんが「〇〇ちゃんはすごいのよ」と我が子の行動を褒めてくれるので、次第に良いところにも気がつけるきっかけになります。そのうち自分も、他の子どもと同じ距離感で眺められるようになっていきますね。

  
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