2024年11月22日(金)

金融万事 塞翁が馬

2016年3月9日

 日本が「おもてなし」の国として話題になってしばらく経つが、多くのロボ・アドバイザーのウェブサイトは衝撃的だ。思わず投資したくなってしまうようなデザインになっている。百聞は一見にしかず、ロボ・アドバイザーの会社名にはそれぞれへのハイパーリンクをつけてあるので是非ともダブル・クリックして覗いて欲しい。

欧米では運用資産が急増、日本もこれから!

 ロボ・アドバイザーは10年弱前に米国でFinTech(金融とIT技術の融合)ベンチャーとして始まり、既に欧米での総運用資産は世界中で200億ドル(約2.2兆円)を超えている。前年度比150%強の水準で増加しており、2020年には約2~3兆ドル(約242~330兆円:日本の家計金融資産における株・債券・投資信託の残高である約2.5兆ドルとほぼ同額)になるとも言われている。

 世界家計金融資産の2020年予想(注1)は345兆ドルだが、仮に株・債券・投資信託等での運用を約100兆ドル(全体の3割弱)とすると、ロボ・アドバイザーは資産運用業界で数%のシェアを取る想定となる。”我々はいつも2年以内の変化を過大に、10年以内の変化を過小に想定してしまう” (注2)という言葉を信じると、数10%水準にもなる可能性は否定できない。

 多くのロボ・アドバイザーは、ウォールストリートの金融機関で数年過ごしたトレーディング・電子取引・IT出身者と、世界最高峰の大学・大学院から卒業したての数理系天才達が融合して始まったFinTechベンチャーだ。ただ、数十人程度の従業員規模とはいえ、上位5社の運用預かり資産はそれぞれ10億ドル(約1100億円)を上回っており、既に大手金融機関とロボ・アドバイザーの提携、または吸収・合併のニュースが巷を賑わせている。


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