2024年12月22日(日)

WEDGE REPORT

2016年1月17日

 年明け早々、中国を震源として再び世界経済に激震が走った。4日から株価は急降下し、緊急措置のはずだった取引停止措置「サーキットブレーカー」がこの週だけで2度も発動され、結局廃止となった。昨年夏場にかけても株価が急落し、中国の経済成長率も鈍化している。昨年12月末、「中国のデトロイト」と呼ばれる広州へ取材で行った。中国人からすると、「景気はどうなのか?」という点から報告してみたい。

 広州へは東京からであれば、JAL、ANA共に直航便が飛んでおり、4時間程度で到着する。だが、広州の約200キロ南には香港がある。香港にはアジアのLCCがたくさん飛んでおり、LCCだと1.3万円程度だ。

香港紅ハム駅プラットホーム。Guangzhou East(広州東)行き

 LCCは中国人のお客さんで、ほぼいっぱい。多くの人が「爆買い」をしてくれたようで、収納棚のスペースをこじ開けようとしたり、空きスペースを探してウロウロしたりする人が目立った。香港国際空港からは鉄道とバスで大陸への玄関である紅ハム駅へ。日本からネットで予約していた18時の列車よりも1本前の16時に乗れる時間だったが、その便は「完売」。平日でも人の行き来は多いのだ。

 お客さんはサラリーマン風情の人は少なく、女性客の方が男性客よりも多い。車内では、皆旅の想い出話でもしているのだろうか、ワイワイ盛り上がっていた。多くの人がiPhone。しかも、画面の大きい「プラス」の方を持ち、収めた動画や写真を互いに見せ合っていた。お客さんの中でもう一つ目を引くのは、黒人の人たちがいることだ。彼らは、以前、弊誌でも紹介したように(『日本の中古品は中国の新品より売れる インフォーマル製品求めてアフリカ商人が集う中国・広州』)アフリカからの行商人だろう。彼らが多く集う広州の一部の地区は「チョコレートシティ」と呼ばれている。

スモッグに覆われた街

スモッグが照らし出されている

 定刻の20時から15分遅れで広州東駅に到着した。夜になっているにもかかわらず、スモッグがネオンや高層ビルの明かりに照らされていた。広州でも大気汚染はひどい状況だった。

 広州市内では、地下鉄(8路線が走っており、建設中が3路線)でも、街中で歩いている人を見てもやはり、iPhoneを持っている人が非常に多かった。現地で理由を尋ねてみると、「ステータスを気にする人が多い」と教えられた。「もちろん、サムスンやシャオミー(小米)でもいいが、欧米ブランドへの信奉が強い」という点では日本人と同じだそうだ。

 「10年前までは畑だった」という場所は、金融センターになっていた。「広州国際金融センタービル」(103階建、440.2メートル)と、「周大福金融センタービル」(111階建、530メートル)のツインタワーがそびえ、上部には雲とスモッグがかかっている。

「広州国際金融センタービル」(左)と、「周大福金融センタービル」(右)

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