南シナ海問題で米国がすべきことは
第1:南シナ海の航行の自由確保で米国は指導力を示すべきである。オバマは前任者たちに倣いうる。1948年スターリンがベルリン封鎖をした時に、トルーマンはベルリン空輸を実施した。フルシチョフがベルリンの壁を作ったとき、ケネディは陸軍部隊を伴う輸送車両を東ドイツ領経由ベルリンに向け送った。1973年、カダフィがシドラ湾領有を宣言した際、米国は航行の自由パトロールを行った。1987年、イランがペルシャ湾の航行の自由を阻害しようとしたとき、レーガン大統領は米海軍にクウェートのタンカーのエスコートを命じた。
2月にハリス太平洋軍司令官は航行の自由作戦を増やすと発表したが、有益な第一歩である。日豪もこのパトロールに参加するように奨励されるべきである。航空機の飛行も行うべきであるし、民間の航空機と船舶のエスコートもすべきである。これらのことを早く実施すべきで、中国に既成事実を作らせてはいけない。
第2:我々は中国と「立場上の優位」をめぐって長期の競争にあることを認識し、対応すべきである。比、越などは米国と協力する用意がある。マニラは4つの空軍基地と1つの陸軍基地の提供を申し出、米国はそれを受け入れた。米国はパラワン島への陸軍部隊配備をし、防空能力、ミサイル防衛、対艦巡航ミサイル、長距離ロケット砲を配備すべきである。この配備で、中国が「立場の優位」を獲得するのを拒否しうる。越は南シナ海の西側で同じようなことをするように奨励されるべきである。
中国が「新常態」を作り出し、同盟国が米国への信頼をなくす前に、行動しなければならない。中国の平和的な意図の声明に頼る時期は過ぎ去った。米国が正面から指導する時である。
出典:Andrew F. Krepinevich,‘The South China Sea Long Game’(CSBA, March 30, 2016)
http://csbaonline.org/2016/03/30/the-south-china-sea-long-game/
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