世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年5月13日

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軍事力展開以外の選択肢はない

 この論説は、的を射た良い論説で、賛成できる内容です。

 今般の核セキュリティ・サミットの際のオバマ・習近平会談でも、習近平は南シナ海での中国の行動を正当化したようです。中国が軍事力を使って、9段線で囲まれる地域の主権を主張し、「核心的利益」であるとして聞く耳を持たないとの姿勢をとる以上、米国としては軍事力を展開して、対抗していく以外に選択肢はありません。この論説が推奨しているようなことをしていくべきでしょう。

 クレピネビッチは南シナ海問題とベルリン封鎖などを比較し論じていますが、国際法に反する主張を拒否するという観点からは、これらの比較も適切です。しかし、トルーマン、ケネディ、レーガンを一方におき、オバマを他方において比較すると、軍事力行使への姿勢が大きく異なります。そのうえオバマは、米国は世界の警察官ではないと述べ、米国の役割を制限する傾向を持っています。したがって今後の米の対応がこの論説の主張するようなものになるかはよく分かりません。

 中国の平和的意図の声明などに頼る時期はとうに過ぎ去ったと言うのは、その通りです。中国の行動を見ていると、中国の共産党独裁政権は信用に値しないと結論せざるを得ません。

 米中関係は今後、悪化していく可能性が高いですが、これは日本にとって悪い事ではありません。中国の脅威をきちんと認識せず、経済的利益に目を奪われて中国の無理を通す米国より、中国に対決的で、日本重視の米国の方が我が国の国益に資すると言ってよいでしょう。

  
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