2022年8月17日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年5月23日

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 空中でも、90年代に使われ始めた台湾の戦闘機は数的に劣勢、質的にも中国機に劣る。台湾はF-16を新しいレーダーなどで強化しているが、中国に後れを取っている。

 台湾の戦闘機はもし人民解放軍が大規模攻撃に出た場合、大きな役割を果たせず、中国は簡単に空中優位を得るだろう。1991年の湾岸戦争は、空からの精密攻撃に対し地上軍(イラク軍)は生き残れないことを示した。中国が制空権をとれば、台湾国防軍の効果的活動は阻止されるだろう。台湾は空からの攻撃のない地域を、防衛のために必要とする。

投資すべきは戦闘機ではない

 台湾が防空を再考、再構築する必要がある。台湾の300機以上の戦闘機は予算を大規模に消費しているが、地上でも空中でも防空の主力にはならない。

 台湾はどうすればいいのか。地対空ミサイルは完全な解決策ではない。しかし戦闘機よりも残存性が高く、中国の空中優位を争える。固定目標を守れなくとも、攻撃のコストを高くできるし、台湾の他の軍種を中国の空中攻撃から守りうる。

 今後、台湾は防空のために相当な投資をするだろう。これらの投資を戦闘機よりも地対空ミサイルに向けるべきであろう。

出典:Michael J. Lostumbo, ‘Taiwan Forced To Rethink Its Air Defense Strategy’(Defence News, April 13, 2016)
http://www.defensenews.com/story/defense/commentary/2016/04/13/taiwan-forced-rethink-its-air-defense-strategy/82897760/

 この論説は、筆者を含む数人が行なったランド研究所での台湾防空戦略に関する研究報告(国防省の政策担当次官室がスポンサー)の主要結論を紹介したものです。元の研究報告書は130ページにも上るもので、台湾の防空についての諸問題を詳細に検討したうえでの結論であって、思い付きを言ったものではありません。そういうものとして受け取るべきものです。

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