2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年5月23日

 ランド研究所のロストンボ上席アナリストが、4月13日付Difence Newsに「台湾はその防空戦略を再考するように求められている」との論説を書き、台湾は戦闘機ではなく、地対空ミサイルに重点をおいた防空戦略をとるべきである、と論じています。論旨は次の通り。

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中国から攻略されてしまった戦闘機

 台湾の防空計画者は非常に困難な問題に直面している。中国は大きな軍を保有、過去25年それを近代化してきたが、それを抑止する能力を必要とする。近代戦では、制空権はそれ自体重要であるが、地上軍、海軍による作戦を可能にするものでもある。

 台湾にとり重要な能力は中国人民解放軍の制空権を争う能力である。過去、台湾の防空の主力は戦闘機であった。これからも防空予算の大部分が戦闘機に振り向けられよう。しかし中国はこれらの戦闘機に対処する方策を見出しており、戦闘機は台湾の国防予算での高価なぜいたく品になっている。

 台湾は戦闘機に頼る防空を超えた発想をすべきである。地対空ミサイルがより大きな防空能力を提供するし、将来へのより良い投資である。

 中国は地上での台湾の航空機への脅威である。台湾の戦闘機は弾道ミサイル、巡航ミサイル、航空機の攻撃に脆弱である。中国は正確なミサイルに投資してきた。

 台湾は山に戦闘機を隠せるが、そこから持続的な作戦をすることはできない。中国はいまや飛行中の航空機を見つけ、着陸までフォローし、攻撃する能力を持つ。


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