世界では小学生からトレーニングが始まっている
2014年、ラスベガスで行われた国際応用スポーツ心理学会で、イギリスのサッカー選手育成に関するメンタルトレーニングの情報提供がありました。この学会には、世界中から約1000人の専門家が一堂に会します。
イギリスのラフバラー大学クリス・ハワード氏により、Enhancing your professional services in youth sport: Developing the 5C’s within athletes,coaches and parents(専門的サービス強化―アスリート、コーチ、親の5Cを伸ばす)と題した発表が行われました。
5Cとは、
・コミットメント(commitment:目標設定)
・コミュニケーション(communication:ポジティブな会話、伝えるスキル、聴くスキル)
・コンセントレーション(concentration:集中力)
・コントロール(control:心の統制、気持ちの切り替え)
・コンフィデンス(confidence:自信)
これらの頭文字をとったものであり、この5つの能力を選手・指導者・保護者のそれぞれが理解することで、選手たちの成長や競技力向上、実力発揮につなげていこうというものです。このプログラムでは、小学生から環境整備を図るよう求められます。
9歳以下では、保護者のサポートの質向上を図るため、選手より保護者にプログラムの説明や講習会を行い、指導者と共通理解の下、家庭でも選手に対してプログラムを落とし込んでいきます。9歳から12歳では、保護者・選手に講習会や解説を行い、ともにメンタルトレーニングを受けます。13歳から15歳では、選手自身がみずからがこのメンタルトレーニングを受講します。
このように、すでに子どものうちから、心理面の強化プログラムであるメンタルトレーニングが行われているのです。これだけのサポートがあれば、将来、かなり有望な選手に成長するのではないでしょうか。それも、単にメンタルが強化されるだけではないことに注目しなければなりません。メンタルとフィジカルは非常に密接な関係を持っているのです。