2024年7月14日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年6月22日

 ロシアも中国も腐敗した社会です。ロシアの賄賂が蔓延した社会の在り方は、政治、経済面での革命的変化にもかかわらず変わっていません。中国の腐敗も酷いですが、両国の腐敗への取り組み方が全く違うことは注目に値します。

変化を嫌うプーチン

 この論説は、この問題について、面白い視点を提供しています。プーチンが腐敗撲滅に真剣に取り組んでいないのは、変化への期待が出てくるのを嫌っているから、という説明には説得力があります。腐敗撲滅キャンペーンが経済効率に与える影響は、天然資源採掘中心の経済と企業家のイノベーションを原動力とする製造業中心の経済ではおのずから異なるのではないかと思われますが、この点は詳細に検討してみないと明確な結論は出ないように思われます。

 習近平は腐敗一掃が共産党支配への国民の支持を維持するために決定的に重要であると言っています。それはその通りなのだろうと思いますが、国民に対して指導部の「悪事」を隠避することのほうが国民の共産党政権への信頼をなくさせる上ではより重要ではないかと思われます。パナマ文書には習近平の義兄(姉の夫)がペーパーカンパニーを作り、多額のお金を動かしていたと記されています。

 習近平政権はこれについての報道を、CNNであれNHKであれ、中国でし始めると画面を黒にするなど、徹底的に規制している。こういう隠蔽は、国民の政府への信頼を腐敗以上に傷つけるものと思われます。特に海外に多くの中国人が出ている現状を考えると、こういうやり方ですむと思っているのはどうかしています。

 ロシアのほうは、プーチンの友人の音楽家名の口座で多額のお金が動いたとパナマ文書は記しています。プーチンは、彼はロシアのために楽器を買っていたのだなど、金額に見合わない説明をして批判されましたが、少なくとも説明しようとはしました。ロシアのほうが情報公開面では進んでいますし、説明責任を果たそうとするところがある、と言ってよいのでしょう。
  
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