2024年11月22日(金)

人事は企業を変えられる

2016年9月12日

 次第に若手は、単に売り上げと利益だけを追い求めるのではなく、作業の効率性や安全性を高めるための人材の配置やマニュアルの確立などを自主的に行えるようになった。

 仕事の原理・原則を理解したことで、自分達で会社を変える意識が目覚め、結果に対する厳しさを持つ組織に生まれ変わった。そして、過去の失敗にはとらわれず、リスクを取って頑張るメンバーを抜擢し続けることで、組織全体も挑戦する気概にみちていった。

 会議の質も一変した。役職にとらわれず、実務を一番理解している社員が発表する方式に変わり、自らの業務に誇りと自信が出てきた。3カ月先の需要予測と同業他社の分析、コスト削減策の検討・提言などを社員自らが行うようになった。

 例えば、ある商品では当初、毎日2桁以上の比率で廃棄ロスを出していたが、現場が自ら新たな発想を取り入れて工夫を重ね、いつのまにかそれは1%未満にまで下がっていた。こうして社員自身が変わったことで、マキシムは瀕死の状態から脱し、生まれ変わった。

 一度どん底に陥った組織を変えるのは簡単ではない。各々の当事者意識を向上し、再生を促すには、こうした小さな成功体験の積み重ねが必要だ。

  
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◆Wedge2016年8月号より

 


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