今回は、労働組合・東京管理職ユニオンのアドバイザー・設楽清嗣さん(74)に話をうかがう。労働運動の闘士として、55年以上最前線で闘い続けてきた設楽さんの目に映る「使えない部下」「使えない上司」とは……。
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“やる気のないジジイ”呼ばわりをする女性
「使えない部下」「使えない上司」とレッテルをはるのではなく、「使える部下」「使える上司」にしないといけない。ところが、多くの会社では、それができていません。
会社から「使えない部下」とされ、結局、辞めていかざるを得なくなった女性がいました。ある日、この女性から、私のもとへ電話があったのです。
「勤務している外資系企業の人事部から、PIP(業績改善プログラム・Performance Improvement Program)を受けるように言われた。私を辞めさせようとしているようだ。相談にのってほしい」
ユニオン内で会う日時を決めたところ、当日になり、女性から電話が入りました。「急用ができたから、ほかの日にしてほしい」。私は「相談日は、いつでもかまいませんよ」と答えました。土曜日に変更することになり、その日に待っていました。
女性から電話がありました。「やる気のないジジイと、私は話したくない!」と電話に出た相談担当の役員にキャンセルすることを告げたのです。結局、ユニオンには来ませんでした。私が「いつでもかまいませんよ」と答えたことを、「やる気がない」と受けとめたのかもしれませんね。