2022年10月6日(木)

使えない上司・使えない部下

2016年7月22日

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労働組合・東京管理職ユニオンのアドバイザー・設楽清嗣さん(筆者撮影)

 女性の置かれている状況は、私なりに心得ているつもりです。外資系企業では、いつ、どこから玉が飛んでくるかわかりません。人事部や役員からは厳しいことを言われ、ときには警告文書を渡されます。一方で、部下や後輩が、その人を飛び越え、海外の本社にメールなどを使い、告発をすることがあります。

 こんな職場にいると、はじめの段階で厳しい態度で接することで威嚇し、自分が弱い立場にならないようにしようとする人もいるようです。彼女も、そんな思いがあったのかもしれません。

会社で「使えない部下」はユニオンでも困った人

 結局、その後、女性はユニオンに現れ、当労組の役員とともに外資系企業と団体交渉をすることになったのです。席上で人事部の管理職が、こう言いました。

 「彼女の営業の仕事は、会社が求めるレベルに達していない。報告書を3日以内に書くことを命じても、提出することができない。だから、業績改善プログラムを受けてほしい、とお願いをしてきたのです。私たちは、困っているのです」

 話を聞く限りでは、退職勧奨ではないようなのです。団交を終えた後、同席した労組の役員が、女性に言いました。

 「会社の言い分に異論がある場合は、それを書き上げて1週間以内に我々のところへ送ってほしい。それを会社に送り、次の団交ではっきりさせる」

 女性からは、送られてきませんでした。2回目の団体交渉は、行われなかったのです。労働相談に来る人の中には、このような人が時折います。自分の考えや気持ちにそぐわないと、連絡をしてこない。

 会社にとって「使えない部下」は、ユニオンにとっても困った人である場合があります。ただし、こういう人は少数です。多くはきちんとした仕事をしていたにも関わらず、いじめやパワハラなどを受けたり、解雇になったりした人です。だからこそ、我々は闘うのです。

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