2024年12月7日(土)

ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2016年8月8日

〔STEP3〕行動の記録をつける段階

 前回の記事「スケジューリング力を育む親の5つの素養」でもお話ししたように、子どもは自分の行動を客観的に把握することが苦手です。ですから行動の記録は親がつけてあげるのですが、何のために記録しているのかについて子どもとコンセンサスを取っておく必要があります。そうでないと監視されているようで気持ち悪いですからね。

 「一週間の中で今以上に色んな事ができるように、あなたと一緒に計画を立てたいと思っているんだけれど、そのためにはまず、今は実際どんな一日の過ごし方をしているのかを知りたいんだ。忘れないようにメモするけれど気にしないでね」と、「目的」をちゃんと伝えるのがいいですね。計画を立てるのは、あなたを管理するためではなくて、やりたいことがいっぱいできる楽しい一週間にするためなんだよと、教えてあげましょう。自分にとって生かせる計画を作るためには、自分を知ることが大切なんだよということも伝えてください。

子どもの自己決定力を育む

〔STEP4〕今日の予定を立てる段階

 自分の生活記録を見ると、「この時間でもっと遊べたのに、もったいないことした!」とか「わたしって思ってた以上にヒマなんだ」と、子どもなりに発見をします。そしてたいていの場合、もう少し変えたいなという気持ちが、でもしんどいのは嫌だなという気持ちとセットで湧いてくるようです。その気持ちをうまく生かすように、「今日は何をする予定なの?」と声をかけます。親子で朝ごはんを食べている時など、リラックスしているタイミングがいいですね。

 この声かけの意図は、予定を立てるきっかけを作ることです。聞かれて初めて「何しようかな~」と考えだすのが普通で、それで構いません。「何したらいいの?」と親に決めて欲しがるかもしれませんが、その場合は、「自分で決めたらいいんだけど、そうだね(あなたは)何がしたいかな。例えば、プリントを整理してすっきりさせることとか、宿題を早く終わらせてゲームをいっぱいしたいとか、借りてきた本をゆっくり読みたいとか、算数の予習をしておくこととか、言ってたよね。」と本人が以前口にしたことや、考えていそうなことをいくつか並べてあげます。すると、「あ! 予習だ、それにしよう」と自分で選ぶことができます。この関わり方のいいところは、本人が考えていることの中から、本人が選択できることです。お子さんが漠然と感じていたり、忘れていたりしたことを「見える化」してあげることで、自己決定を促すということです。

 予定が決まったら、「それはいいね! いい時間の使い方だと思うよ」と褒めた上で、「忘れないように書いておこうか」とメモを促します。口で言うだけでなく目で見ることで予定が脳にインプットされますし、後でそのメモを見ながら「そうだ、今日はこれをやるんだったね」と言えるので、促すのが楽になります。メモがないと、「やるって言ったでしょう!」と親がやらせる形に陥りやすいので気を付けてください。


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