ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2016年8月8日

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小川大介 (おがわ・だいすけ)

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で受験国語の看板講師として活躍。難関中学、国公立大学医学部などへ多数の合格者を送り出す。2000年、さらなる学習指導の理想を追求し、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。著書に『小川式[声かけ]メソッド』(宝島社)、『中学受験 基本のキ!』(共著:日経BP社)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)など。今年10歳になる男の子の父。

 なお予定を立てたからといって、その通りに実行する子はあまりいません。学校から帰ってくるころにはだいたい忘れていますし、朝は「やりたい」と思っていた気持ちが、時間が経って夕方になると、薄れたりなくなったりするものだからです。ですから、子どもが予定を思い出せるように、「今日はどんな予定だっけ?」と声をかけます。メモを見て子どもが自分の予定を思い出したら、「何時から始める? たぶん1時間か1時間半ぐらい使うでしょ?」と、どれぐらいの時間がかかりそうかの見通しと共に、開始時刻を決める促しを行います。時刻とつながると予定は現実のものとなって、実行に移しやすくなります。

 言い忘れましたが、この一連の声かけはもちろん「笑顔」で行ってください。「スケジューリング力を育む親の5つの素養」でご説明しましたね。

ハードルを下げながら、一週間の予定を整理する

〔STEP5〕一週間のおおまかな予定を立てる段階

 今日の予定を立てる声かけを始めて1~2週間経って、予定を立てることに慣れてきたら、一週間予定を立てる段階に入ります。「その日の予定を立ててその通りにやる力がついてきたね。すごいよね」と褒め、計画を立てることに良い印象を与えてから、「今のあなたなら一週間の予定も立てられるんじゃない?」と誘います。「いきなりびっしり立ててもうまくいかないから、分かっている予定と、したいことをおおまかに入れるだけでいいよ」とハードルを下げるのがコツです。この段階で子どもに学ばせてあげたいことは、一週間の時間の中には、先に決まっていて自分には変えることができない時間と、自分の意思で自由に使える時間の2種類があるということです。積極的に計画を練っていく前に、自分の一週間を確認させる段階と言っても良いですね。〔STEP3〕の行動記録を活用すれば、それほど時間をかけずに立てられるでしょう。

〔STEP6〕ルーティンを整える段階

 さて一週間のおおまかな予定を立ててみると、毎日または毎週繰り返される決まった行動がたくさん見つかるはずです。風呂食事はもちろん、学校の準備、宿題をする、習い事の準備と片づけなど、いくらでもありますね。一日の大半はこういったルーティンで占められていると言ってもいいかもしれません。計画の力を身につける目的は、目標を叶える力を持つことであり、より小さな単位で見ると質の高い一週間を実現していくことにあると言えます。そして一週間の質を高めるには、「何をやるか」を考える前に、今すでに行っていることを「どうやるか」考えることが大切です。ルーティンについてより効率よく、安定するように行動を整えられれば、時間の面でも成果の面でも大きな効果を発揮します。

 例えば「学校の準備」。朝起きてから、学校に出る寸前にバタバタとランドセルの準備を行うのを止めて、学校から帰ってきたらすぐランドセルの中身を出して、翌日の準備をすることに決める。そうするものだと決めて習慣にすれば、忘れ物も減りますし、学級だよりを渡し忘れることもなくなって、ムダがなくなり親子喧嘩も減ります。

 当たり前のように行っている「いつものこと」について、親子で相談して、どのようにすると今よりもいい時間の過ごし方ができるかを考えるのです。

 ちなみに、靴を脱いだ後きちんと揃えることが当たり前に出来ている子は、テストのケアレスミスが少ない傾向があるそうですが、私の経験でもたしかにそうだろうなと思います。挨拶する、背筋を伸ばして座る、テキスト・ノートを整理するといった、日常生活の細部がきちんとしつけられている子は、学習もそつなくこなせることが多いのです。

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