予防接種を実施するか否かも難しい判断
予防接種は、受ければ病気に罹る確率は減りますが、副作用の可能性があります。認可されている予防接種であれば、期待値としては病気予防のメリットが副作用のデメリットを上回っていると考えて良いでしょうが、それでも医師にとっては難しい問題です。
副作用を患った患者からは批判される(場合により訴えられる)一方、メリットを受けた客からは感謝されないからです。「自分は予防接種を受けなければ病気になっていたはずなのに、接種のおかげで助かった」と考える人はいないからです。
そうなると、医師としては訴えられるリスクを考えて予防接種を実施しない、というインセンティブを持ちかねません。ただ、この場合は解決策があります。予防接種の価格を高めに設定して大きな利益を稼ぎ、その利益で「副作用で訴えられたら代わりに賠償してくれる保険」に加入すれば良いのです。
では、薬を認可する厚生労働省はどうでしょうか? こちらは保険に加入できないので、深刻な問題です。副作用を患った患者から「どうして認可したのか」との苦情が来る一方で、誰からも感謝されないからです。それでも国民のために認可をしている担当者には、敬意を表するべきでしょう。