赤坂英一の野球丸

2016年9月12日

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 定番は日本酒の振る舞い酒、ビールを1杯無料、もしくは全部半額にする飲食店のサービスだ。そんな盛り上がりが思わぬトラブルに発展することを懸念し、地元消防団は団員に事前にこんなメールを配布している。

 「優勝が決定した際には、他都市等の過去の事例から、市民等が過剰飲酒や歓喜のあまり暴徒化したり、事件や事故につながる行動に走ることも考えられます。消防局では、こうした事態に備え、特別の警備体制を検討している状況です。消防団としては、直接の警備活動は行わない予定ですが、いざという場合には出動もあり得ることから、これに備えてください」

 このように警戒を促す一方で、団員自身にも自覚を求めているところが面白い。

 「なお、優勝を祝う際には、市民を守る立場にある消防団員自らが他に迷惑を及ぼすことのないよう、節度ある行動をお願いします」

 1975年の初優勝のときは、優勝決定の夜に一部のファンが繁華街で暴れだし、女性が被害に遭ったという話も伝わっている。当時が球団創立26年目、今回が前回優勝から25年目。消防局や消防団が「いざという場合」に備えていたのも当然だろう。

 もっとも、今時のファンは昔に比べて女性や子供が増え、総じて優しくなった。マツダでの広島−巨人戦のあと、カープロードから広島駅へ向かっていると、巨人ファンの落としたオレンジ色のタオルを赤いユニフォームを着た広島ファンが拾い、巨人ファンが頭を下げて礼を言ったりしている。こんなふうにカープが敵も味方も楽しめるチームになったからこそ経済効果も上がったのだろう。25年という時の長さを実感させられる。

  
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