ネット銀行の住宅ローンは高属性ユーザー向け
ネット銀行の商品設計は明確で、「低金利住宅ローン」です。なぜそれが可能かというと、店舗を持たない分、オペレーションコストが低いからです。さらにクレジットコストも低めに設定しています。つまり、貸し倒れリスクが低い人(業界用語で高属性と言う)に絞って商品を提供しているのです。低いオペレーションコストと低いクレジットコスト、この2つがネット銀行の低金利を実現し、高属性ユーザーに販売しているのです。
S銀行はネット銀行の中でも特に割り切ってやっている銀行です。ある程度収入のある会社員をターゲットとしています(自営業はまず通らない)。また、これによって審査スピードの早さという別の強みも生み出しています。会社員は収入を証明する審査書類が少なくて済むので、審査スピードを上げられるのです。私の会社(モーゲージ・ネクスト)でも複数銀行を取り扱いますが、ネット銀行の審査スピードを比較するとS銀行はピカイチです。
借り換えを攻めるネット銀行
ネット銀行はその立ち上がり当初から借り換えに注力してきました。高い金利を払っている人に自行の低金利商品に借り換えてもらう。これであれば低金利の強みが活きます。
ただ、この借り換えの難点はマーケティングが非効率ということです。自行以外の銀行で借りている人をターゲットにすればいいのですが、誰が他行から借りているのかわからないのです。ですので、不特定多数に対して「借り換えませんか?」とネットやテレビで幅広く広告出稿せざるを得ないのが現状です。