使えない上司・使えない部下

2016年10月14日

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信長や秀吉はやはり、天才

 一方で、キリシタン大名の、たとえば、大村純忠や有馬晴信などは、家来からすると「困った上司」だと思います。純忠は、イエズス会に長崎港の周辺などを教会領として寄進していました。イエズス会に金を借りて担保に取られたともいいます。そして、その代わりに、鉄砲や火薬などをもらっていたのです。長崎は、事実上の植民地になっていたといえます。

 晴信は、百姓や町民などの子どもを連れてきては、イエズス会に渡していました。イエズス会は、それを奴隷として海外に売り飛ばしていたのです。晴信は、家来にまで「息子や娘を出せ」と言い、売れる子どもを探していたようです。

 キリスト教は、一神教です。キリシタン大名はキリスト教にあらずんば人にあらず、という考えに影響を受けていましたから、自らが信じる宗教のためにあらゆることをしようとしたのだと思います。こういう人の部下になると、苦労をするはずです。価値観がたった1つしかないと、部下たちはそれにすべて振り回され、従わないといけない。

 キリスト教の宣教師などは、日本を植民地にしようとしていた国々から来た先兵です。そのことを、キリシタン大名は感じ取っていなかったのかもしれません。宣教師たちは、病の人や貧しい人たちを助けようとしたこともあります。

 植民地にしようとする戦略が上手かったのでしょうね。まず、宣教師が日本人の警戒心を解き、思想的な影響をあたえ、つぎに軍隊が攻め込むことを考えていたのだと思います。それを見抜いていた信長や秀吉はやはり、天才です。

 怖いけれど「使える上司」であり「頼りがいのある上司」だったと思います。日本の教科書や作家などの本には、この時代のキリスト教の宣教師たちが日本の植民地化を狙う先兵だったこと、長崎などが事実上、植民地になっていたことがほとんど書かれていないのですね。私は、そこに疑問を感じています。

  
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