2024年2月21日(水)

Wedge REPORT

2016年10月28日

東南アジアの米作り農家に干ばつ情報

 損害保険ジャパン日本興亜は、定められた期間内の降水量が事前に定めた基準値を満たさなかった場合に、農業従事者が現地の農業銀行から借りている融資額の一部を保険金として支払う天候インデックス保険を、東南アジアの中でも米作りが盛んなタイ東北部で販売している。日本の損保会社は10年以上前に電力会社など大手企業に、いわゆる天候デリバティブと呼ばれる金融商品を発売、一時はかなり流行したが、最近は下火になり、国内マーケットは縮小している。

 このせいもあって、損保ジャパンでは海外に向けて干ばつなどの極端な気象災害への対策として天候インデックス保険をタイのほか、インドネシア、ミャンマー、フィリピンで売り出そうとしている。

 タイ北東部では多いときは年間5千件以上販売されている。この保険を販売できる地域は干ばつリスクがある、かんがい設備が比較的整備されていない地域に限定されるため、全国的な販売にはなっていない。損保ジャパンは保険を販売している現地の農業銀行や農家のニーズを確認しながら、事業を拡大するかどうか判断したいとしている。

 バナナの栽培が盛んなフィリピンのミンダナオ島では、同社がバナナ生産者をターゲットにした、「台風ガード保険」を14年から販売している。バナナの産地は過去に大きな台風被害を受けており、台風被害に対する保険ニーズが顕在化していた。対象エリア内を台風が通過した場合は、契約前に定めた保険金を支払うというスキームで、日本で販売していたデリバティブ商品を応用した。このほか、ミャンマーでも干ばつ被害に対応するための天候インデックス保険を販売できないかと検討している。同社としては、25年までに東南アジアの3万軒の小規模農家に、それぞれの地域に適合した何種類かの天候インデックス保険を提供したいとしている。

建設現場にピンポイント予報

 ライフビジネスウェザーは、1㎢ごとのピンポイントの雨量予報を目先数十分、数時間単位で流す情報サービス「KIYOMASA」をこれまでに延べ3500件建設現場などに提供してきた。気象庁から提供されるデータに独自情報を加えて現場のスマートフォンに流す仕掛けで、初期費用が3万円と月額は8000円。同社が09年に先駆的に導入して着実に伸ばしてきた。しかし、最近は同業他社が同種のサービスをはじめたほか、ヤフーなどが数年前から無料アプリでピンポイントの雨量予報を提供している。このため、大手ゼネコンの中には有料サービスからこうした無料アプリに切り替える動きもある。

 同社ではこうしたことに対抗して、現場に特化した情報を雨量予報に付加して流すことで差別化を図ろうとしている。具体的には、コンクリートを流す現場では、気温が数時間後に下がる場合には、気温の低下によりコンクリートの混ぜ合わせが悪くなるため、作業を中止するか、気温が上がる時間まで待った方が良い、などのきめ細かいアドバイスを現場に対して行う。


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