2024年11月22日(金)

Wedge REPORT

2016年10月28日

「ウキウキ度」指数

 このほか、中堅の食品スーパーに対しては、店舗がある地点のピンポイントの気象予報を行うことで、どのような商品が何時から何時ごろまで売れそうかの目安にしてもらう。この情報をもとにして、気象条件ごとに店舗単位の来客数を予測し、稼働するレジ台数からレジ担当の人数も予想を立てるなど、効率的な店舗オペレーションに活用している。

 またアパレルの会社に対しては、どういう気象条件の時にお客さんの買いたい気分になるのかを客観的な数値「買いたい度」指数で表示して提供している。翌日や当日の天候を元に「買いたい度」指数が上がれば、お客さんも気分的にウキウキして買ってくれる可能性が広がるため、「ウキウキ度」指数とも呼んでいる。「ウキウキ度」指数が高い時は、店員さんがお客さんに対して積極的に声掛けをするように促すなど、気象情報を少しでも売り上げアップに役立てようとする取り組みが始まっている。

 ライフビジネスウェザーの営業担当の前田充宏取締役は「『ウキウキ度』指数などは半ば占いに似たところもあるが、科学的根拠のある指数なので、広がる可能性がある。気象情報と顧客行動などのビッグデータをより精緻に分析することができれば、食品や観光などの分野で気象ビジネスがさらに広がっていくのではないか」と予想している。

 いま個人の健康管理で利用者が増えているのが、頭痛予防アプリだ。気象予報士が開発したもので、20万人が使っている気象病対策ナンバーワンアプリだという。頭痛が起きる原因は気圧の変化によるものが大きいと言われており、気圧グラフの変化により片頭痛などのやっかいな頭痛を、アプリを使って事前に知っておこうというものだ。頭痛が起きそうなことが事前に分かれば、重要な会議や予定をあらかじめ変更することができるので、女性を中心に利用者が増えている。全国には頭痛で悩む人は700万人もいるといわれるだけに、患者にとっては手放せないアプリになるかもしれない。

  
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